ソレノイドをご使用される際によく使われる言葉の説明です。
不明点はお気軽にお問い合わせください。
- ソレノイド
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直流又は交流の電気をソレノイドのコイルに流すことにより発生する磁気の吸引力により、
プランジャーを直線吸引運動させるもので、電気エネルギーを機械的運動に変換する電磁石です。
プランジャーの運動を利用して外部のものを制御する駆動源として使われています。
- キープソレノイド
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磁気回路内に永久磁石を使用したことで、瞬間電流を印加するだけで吸引・吸着し、
無励磁で吸着状態を保持できる省電力ソレノイドです。
- ストローク
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プランジャーがある位置から吸着するまでの移動量です。
- 吸引力
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ソレノイドに通電した時にプランジャーが吸引運動ができる最大負荷荷重です。
- 保持力
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ソレノイドに通電した時にプランジャーが吸着状態を保っていられる最大負荷荷重です。
- 使用定格
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ソレノイドを指定条件の下で連続・間欠又は短時間使用する時、定められた温度上昇限度を超過せず、
その他の制限に外れない定格です。
- 起磁力
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起磁力は磁力を発生させる大きさのことを言い、コイルに流れる電流とコイルの巻数の積で表されます。
また、アンペア・ターンとも言います。
ソレノイドの吸引力は、起磁力が大きいほど吸引力も大きくなりますが、
磁性材料の磁気特性によってある値以上から飽和します。
- 温度上昇
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ソレノイドのコイルに電流を流すと電線の抵抗により発熱します。発熱により時間と共に温度は上昇しますが、
コイルの発熱量とその熱を周囲に発散する量が等しくなると温度上昇は飽和します。
- 残留磁気及び残留吸着力
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ソレノイドは構成部品に磁性材料(鉄)を使用しています。
磁性材料はその磁気特性から、通電を遮断しても磁気が少し残ります。これを残留磁気と言います。
残留磁気によって生じるソレノイドの吸着力を残留吸着力と言います。
残留吸着力が復帰負荷より大きいと復帰動作しなくなり、復帰動作の不具合の原因になります。
- 耐熱クラス(絶縁階級)
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電気製品は通電すると温度上昇しますが、絶縁物の許容温度を超えた高温になると破損することになります。
そこで絶縁物の許容温度により耐熱クラス定めて、電気製品の使用最高温度がその耐熱クラスを超えないように
使用しなければなりません。
耐熱クラスはIEC 60085,JIS C 4003により
耐熱クラス |
Y |
A |
E |
B |
F |
H |
N |
R |
250 |
温度℃ |
90 |
105 |
120 |
130 |
155 |
180 |
200 |
220 |
250 |
- サージ電圧
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ソレノイドはコイルに電流を流すことにより発生する磁気を利用するものです。
このコイルに流れる電流を遮断するとコイルが発生する磁気を維持しようとし、電流を流そうとする電力が逆方向に発生します。
このときに発生する電圧をサージ電圧と言います。サージ電圧により制御回路やスイッチの破損が生じるので注意が必要です。
- 磁気ショート
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ソレノイド本体の取り付け部分やプランジャーの連結部分などが磁性体で構成されている場合、
ソレノイドの磁気が漏れ、外部に磁気回路ができます。これを磁気ショートと言います。
磁気漏れによりソレノイドの吸引力が減少したり、取付部・連結部磁性材料の残留磁気により残留吸着力が増大したりします。