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技術情報

DCソレノイドご使用上の注意点

ソレノイドを安全に使用していただくための注意点です。

1. 電源電圧変動

使用上の注意と事故の可能性 対策
過大 吸引力の増大により、可動・固定鉄芯の衝撃が大きくなり、可動・固定鉄芯が変化して、保持力・寿命が変わる。 電圧変動に注意し、余裕のあるものを使用する。
温度上昇の増大により、吸引力・保持力が減少する。
温度上昇の増大により、コイルの破損・焼損やリード線等が破損する。
低下 吸引力減少、吸引不能や応答時間の遅延、応答不能となる。

2. 回路及び回路部品

使用上の注意と事故の可能性 対策
制御部品破損 電流の多く流れるソレノイドでは制御接点の溶着が多い。 リレー・スイッチ等の容量性能等はよく注意し、ソレノイドに温度ヒューズ、サーモスイッチ等を組み込む。
サージ電圧 サージ電圧の高いソレノイドでは、整流素子やスイッチの破損が起こる。 ダイオード、サージアブソーバ等の保護素子を入れる。
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3. 吸引力に対する使用負荷

使用上の注意と事故の可能性 対策
極端な軽負荷 可動鉄芯・固定鉄芯の変化が大きくなり寿命が短くなる。 吸引力特性によるソレノイドの選定
保持力が変化し、応答時間も遅くなる。
重負荷 負荷を吸引力特性とあまり近づけると電圧変化や温度上昇によって吸引不能や応答時間の遅延や追従しなくなる。
復帰負荷 復帰負荷は設定値以上でないと残留磁気等の影響で復帰しない。 ソレノイドによる残留磁気のチェック

4. 取付

使用上の注意と事故の可能性 対策
本体の取付 シャーシー・取付アングル等の負荷のかかる方向と可動鉄芯方向の一致 可動鉄芯の移動方向と負荷のかかる方向が一致しない場合はリンク・レバー等でその方向に近づける。
負荷への取付 可動鉄芯の運動方向と負荷の運動方向の一致、負荷の偏芯、運動方向の偏芯は寿命、性能等の劣化につながる。
可動鉄芯の移動軸に対する横方向、斜め方向からの荷重はなるべくさける。 避けえない場合は、ガイド等で可動鉄芯の移動をさまたげない様にする。
連結金具と連結 リンク、取付金具等に取り付ける時は可動鉄芯の中心に荷重がかかる様にする。偏芯の原因となる。 カラー・スペーサー等を用いる。
連結金具はソレノイドの性能により材質・強度に注意する。
連結ピン 連結ピンはあまりすきまのないものを使用する。 材質の柔らかいもの、ネジ等は用いない。
太さ・材質・強度には特に注意する。
磁気ショート 取付部の材料によって吸引力の減少や復帰不良が発生。 材料の変更(非磁性材)やエアギャップを設けて、磁気回路を遮断する。
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5. 取付位置の設定、使用

使用上の注意と事故の可能性 対策
取り付に際し可動鉄芯は保持状態で使用する。連結金具、ピン等に直接ストップ時の力が加わらない様に取付使用すべきである。連結部の破損につながる。 ストッパーの使用あるいはスプリング等を用いる。

6. 使用頻度(使用動作回数)

使用上の注意と事故の可能性 対策
あまり高頻度で使用すると可動鉄芯がガイドパイプ内部でおどり、表面がいたみ、吸引力、応答速度が劣化する。 可動鉄芯、ガイドパイプの表面処理、材質をより良いものにする。
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7. 使用環境

使用上の注意と事故の可能性 対策
周囲温度 一般に使用される温度以上の場合はソレノイドの温度上昇もあり、変化が多い。吸引力の減少、温度上昇によるコイル等の破損に注意を要する。 ソレノイド温度上昇の低いタイプへの変更。
低温時には吸引力のアップ以上に機構上で負荷が多くなることに注意を要する。
湿度 ソレノイドが高温になった後に冷えると、時に湿気を呼びやすく、絶縁不良からの事故が起こりやすい。また、ソレノイドに使用している部品はメッキ等の防錆処理はしているのが一般であるが、、錆によって可動おなくなることもある。 耐湿性の強いタイプを使用。
他物質の付着 油、粘着物、ゴミ等がガイドパイプと可動鉄芯間に入ると、保持力、吸引力、応答速度が悪化し、動作しないことも起こる。また、水滴等はかからないようにしなければならない。 直接かからないようにする。
酸、その他の薬品等には弱い材料も多いので注意する。

8. 周囲への影響

使用上の注意と事故の可能性 対策
磁気 ソレノイドによって磁気的影響のある磁気ヘッド等が近くにある場合、取付位置方向に注意を要する。 磁気を遮断する。
温度 温度上昇の放熱により半導体など温度に弱いものは破損することも多い。密閉したボックス内等では特に注意。 ソレノイドの温度上昇の低いタイプ等を使用。
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9. よくある事故例

項目 内容 対策
温度ヒューズの溶断 電源回路の事故により異常通電(過大電圧、通電定格異常)になった場合、温度ヒューズはソレノイドの発煙発火防止の為に溶断します。 ソレノイドに異常通電がかからない様に、電源回路で対策する。または、異常通電から回復後に、復旧可能なサーマルプロテクタ(サーモスタット等)を使用する。
温度ヒューズの断線要因例:X線CT装置による温度ヒューズの断層撮影画像
溶断前
温度ヒューズの断線要因例
取付ねじに長すぎた物を使用した為、コイル破損 取付ねじが長すぎるとヨーク内側から出っ張り、コイル外装テープを突き破り、巻線が断線します。また、コイルとシャーシがねじにより短絡ショートするので、場合によっては電源回路が破損します。 取付ねじ締め後にコイルとねじの間に隙間ができるような長さのねじを使用する。
コイル破損例
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DCソレノイドご使用上の注意点(2)

1. 環境の注意事項

1-1 使用環境
  • (1) オゾン・アンモニアガス・塩素系ガス・シリコンガス・腐食性ガスの環境では使用しないでください。
  • (2) 水・湿気・油・溶剤・異物・粉じん・ほこりがかかる場所では適切な防護対策をしてください。
  • (3) 発熱体の近くや輻射熱がある場所では適切な防護対策をしてください。
  • (4) 適切な使用環境温度範囲内で使用してください。
  • (5) 振動・衝撃が直接加わる場所では誤動作の危険性があります。
1-2 保存環境・保管環境(荷姿状態)
  • (1) ソレノイドが氷結・結露しない様にしてください。
  • (2) 保管期間は荷姿状態で1年以内とし、開梱後速やかに使用してください。
  • (3) 室内へ保管して直射日光や温湿度の高い場所を避けてください。

2. 電気的な注意事項

2-1 電源制御回路
  • (1) 電圧・電流・容量に十分余裕のある電源を使用してください。
  • (2) 実際に使用するソレノイド制御回路による評価試験が必要です。(電源回路の違いにより特性が変わります。)
  • (3) ソレノイドは通電遮断時にサージ電圧(※1)が発生します。サージ電圧を確認の上でソレノイド制御回路に防護対策してください。
  • (4) パルス制御ではサージ吸収に高速タイプの整流ダイオードを使用してください。一般整流タイプのダイオードではサージ吸収する時間が長い為、パルス信号(早い周期でのON-OFF繰り返し)に追従できずダイオードが著しく発熱し、場合によっては破損する危険性があります。
  • (5) 御社ソレノイド制御回路にサージ吸収ダイオードを取付けていますと復帰時間が長くなります。
  • (6) 電食(※2)回避の為、両極又はソレノイド制御回路側を遮断する様に配線してください。
  • (7) ソレノイド制御回路には、ヒューズなどの遮断器を取付てください。
2-2 定格電圧・使用電圧範囲
  • (1) 使用電圧範囲内でご使用ください。範囲の上限より高くなると、破損の危険性があります。範囲の下限より低くなると、吸引力
    (※3)・保持力(※4)の不足(動作不良)となります。
  • (2) ソレノイド制御回路により電源出力電圧とソレノイド入力電圧に差が生じる場合があります。電圧はソレノイド端子間の値です。
2-3 定格電流
定格電流は定格電圧と直流抵抗値からの値です。ソレノイド制御回路の設計時には使用電圧範囲、使用温度範囲、直流抵抗の公差からなる最大電流を考慮してください。
2-4 直流抵抗(コイル抵抗)
  • (1) ソレノイドへの通電によりコイルが温度上昇(※11)する為、直流抵抗は変化します。
  • (2) 周囲温度の変化により直流抵抗は変化します。
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3. 特性の注意事項

3-1 動作特性
  • (1) 御社メカへの取付によりソレノイド単品と動作状況が変わるので、特性の確認を行ってください。
  •   特にソレノイド周りが磁性体の場合、動作特性が大きく影響されて動作不良や破損の危険性があります。
  • (2) メカ負荷が吸引力より小さすぎると破損します。ソレノイドは近距離で吸引力が急激に上昇しメカ負荷に対して大きな余力が発生する為、ヨークフタかしめ部・ヨーク曲げ部及びE形止め輪の破損につながります。
  • (3) メカ負荷が吸引力・保持力より大きいと吸引・保持しません。
  • (4) ストローク(※5)が指定より長いと吸引しません。また、吸引する場合も衝撃が大きくなり破損の危険性があります。
  • (5) 通電時間が長いとコイルが温度上昇するので、吸引力が低下し吸引時間が長くなります。また、保持力が低下します。
  • (6) 通電時間が短いと吸引動作中に通電が切れ保持位置(※6)に達しません。また非通電時間が短いと復帰動作中に吸引動作になり待機位置(※7)に達しません。
  • (7) 周囲温度が高いと吸引力が低下し吸引時間が長くなります。また、保持力が低下します。周囲温度が低いと吸引力が高くなり吸引時間が短くなります。
  • (8) 電圧が低いと吸引力が低下し吸引時間が長くなります。また、保持力が低下します。
  • (9) 動作回数が多くなると摩耗により摩擦負荷が増大し吸引時間が長くなることがあります。
  • (10) 振動・衝撃が加わった場合にプランジャーが保持できないことがあります。
3-2 使用定格(※8)
  • (1) 間欠通電仕様のソレノイドを連続通電で使用しないでください。
  • (2) 間欠通電仕様で指定した通電率より高いと破損の危険性があります。
  • (3) 間欠通電仕様で指定した通電率でも、ON時間が長いと破損の危険性があります。
3-3 残留吸着力(※9)
  • (1) 負荷が残留吸着力より小さいとプランジャーが復帰しません。
  • (2) ソレノイドの周りが磁性体の場合、磁気ショート(※10)になり復帰しないことがあります。
  • (3) 動作回数が多くなるとプランジャーとプランジャーウケの直接当たるタイプでは、残留吸着力が大きくなり復帰しないことがあります。
3-4 絶縁抵抗・耐電圧
湿度・振動・衝撃・雰囲気・ほこりで絶縁抵抗・耐電圧が低下することがあります。
3-5 温度上昇
  • (1) 以下の様な場合は、コイルの温度が耐熱クラス(※12)を超えてソレノイドに異臭・発煙・発火・破損の危険性があります。
    ・間欠通電仕様を連続通電で使用する場合。
    ・間欠通電仕様でON時間が長く、OFF時間が短く、通電率が使用定格より高い場合。
    ・間欠通電仕様で指定した通電率でもON時間が長い場合。
    ・温度上昇条件より電圧が高い場合。
    ・使用環境が温度上昇条件の上限より温度が高い場合。
  • (2) 温度上昇は御社メカ内でソレノイド取付部の材質・体積及び周囲環境(密封状態や発熱体・送風機近傍)等によって変わります。

4. 取付の注意事項

  • (1) ソレノイド中心軸に対して負荷方向が斜めになると特性が低下します。また、寿命が短くなります。
  • (2) 連結ピンは中心に負荷がかかり、破損しないものを使用してください。
  • (3) 固定部や連結部が緩まない確実な取付をしてください。
  • (4) 取付ねじがヨーク内側から出張りコイルに当たると、コイルは絶縁抵抗不良・耐電圧不良及び断線となります。
  • (5) ソレノイドは通電時に磁気が発生しますので、磁気的に影響のある部品や材料が近くにある場合は磁気遮断や位置変更をしてください。
  • (6) 御社組込の際に特性に影響を及ぼすプランジャーのすり割り(※13)の変形及び外周の傷等をつけないでください。
  • (7) ソレノイド取付姿勢によるプランジャー自重を考慮した復帰スプリングを設定してください。
  • (8) プランジャー摺動部に異物が入ると動作しません。
  • (9) プランジャーにグリス・潤滑剤等を塗布した場合、異物が付着したり、油分などの揮発で硬化及び表面処理の劣化により動作不良となります。
  • (10) リード線はソレノイド制御回路へ極性を正しく確実に接続してください。
  • (11) ソレノイドの取り扱いはソレノイド本体を必ず持ってください。リード線を抜け強度規格以上の力で引張らないでください。リード線やコネクタを持ってソレノイドをぶら下げないでください。
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5. 各種ソレノイドの注意事項

5-1 キープソレノイドについて
  • (1) 連続通電仕様の場合は、オープンフレームソレノイドを使用してください。
  • (2) キープソレノイドは通電していなくても永久磁石により吸引力(無励磁吸引力)があります。負荷は無励磁吸引力より大きくしてください。
  • (3) キープソレノイドの復帰は、復帰電圧の範囲があり、定格電圧の±10%以内です。
    復帰電圧が上限・下限を超えると復帰しないことがあります。
  • (4) 最低復帰負荷は規格値以上の復帰負荷を御社メカで設定してください。復帰負荷が規格値より小さいと復帰電圧範囲内で復帰しません。
  • (5) キープソレノイドの永久磁石は高温で磁気特性が低下します。また、極端な低温では低温減磁により磁気特性が低下します。
5-2 フラッパーソレノイドについて
  • (1) 負荷は可動板の中心軸上にかけてください。偏った負荷をかけると特性が低下します。
  • (2) クラッチ機構に使用される場合、可動板がカムからラッチとびしない位置・角度にしてください。
  • (3) オゾン、腐食性ガスや過度の熱の中で使用しないでください。消音ダンパに粘着力が生じ、可動板が動作しなくなります。
5-3 ソレノイドバルブについて
  • (1) 簡易構造の為、緊急遮断弁などの安全対策用に使用しないでください。
  • (2) 振動・衝撃が直接加わるところでの使用に於いては、振動・衝撃に耐えうる設定が必要です。
  • (3) 標準品の使用流体は空気です。清浄な空気を使用してください。空気中に腐食性ガス、化学薬品や塩分等が含まれると破損や動作不良の原因になります。
  • (4) 0℃以下で使用する場合、空気中の水分などが凍結しない様に対策してください。
  • (5) ソレノイドバルブのIN側、OUT側に過剰な応力がかからない様にしてください。
  • (6) 長期に渡り通電又は休止している場合は、環境等によりゴム弁が固着して正常動作しなくなる危険性があります。
  • (7) 配管状態によっては、振動により異音や動作不良が発生する恐れがあります。
  • (8) 使用流体中にゴミ、ほこり、砂、油、シール用テープ、配管用チューブかす等の異物が入りますと動作不良の原因になります。

6. 部品の注意事項

6-1 温度ヒューズについて
  • (1) 以下の場合コイルの温度が高くなり耐熱クラスを超えると温度ヒューズが動作します。
    ・間欠通電仕様を連続通電で使用する場合。
    ・間欠通電仕様でON時間が長く、OFF時間が短く、通電率が使用定格より高い場合。
    ・間欠通電仕様で指定した通電率でもON時間が長い場合。
    ・温度上昇条件より電圧が高い場合。
    ・使用環境が温度上昇条件の上限より温度が高い場合。
  • (2) 温度ヒューズ内蔵の場合、御社メカ使用状態によっては、急激な温度上昇により温度ヒューズが動作しないことがあります。急激な温度上昇によりマグネットワイヤが温度ヒューズの動作より先にレアショート(※14)になることがあります。
6-2 ダイオードについて
  • (1) ダイオードは繰り返しピーク逆電圧(※15)にご注意ください。繰り返しピーク逆電圧は400V以上を使用してください。
  • (2) ダイオードは静電耐量特性(※16)に余裕のある製品を使用してください。
  • (3) ダイオードを付加した場合、ダイオードが無い場合より復帰時間が長くなります。
6-3 サーモスタットについて
サーモスタットに振動・衝撃が加わると、スイッチ接点部にON・OFFの細かな繰り返し動作(チャタリング)によるサージ電圧が発生します。このサージ電圧によりスイッチ接点寿命低下・ソレノイド誤動作・ソレノイド制御回路の破損などの危険性があります。
6-4 E形止め輪について
プランジャーのすり割りがE形止め輪用溝にかかる場合、E形止め輪にガタが生じ、吸引時の衝撃で破損する危険性があります。
6-5 減音用ワッシャについて
  • (1) 連続通電仕様のソレノイドにゴムワッシャを使用すると固着につながり、プランジャーが復帰できない危険性があります。
  • (2) ゴムワッシャは連続通電で長時間使用すると硬化して減音効果がなくなり破損する危険性があります。
  • (3) フェルトワッシャはソレノイド動作回数が多くなると衝撃と圧力で硬く薄くなり復元しません。
6-6 リード線について
  • (1) 断線の恐れがあるのでリード線に繰り返しの応力(曲げ・ねじれなど)や引張り力が加わらない様にしてください。
  • (2) リード線を抜け強度規格以上の力でコイルより引張ると断線やショートとなります。また、コネクタの破損や抜けにつながります。
  • (3) コネクタを取付ける場合は、メーカー指定のコンタクトに適用したリード線を使用してください。適用外のリード線では圧着不良により抜け強度の低下や導通不良になる危険性があります。
6-7 マグネットワイヤについて
マグネットワイヤ絶縁被膜の温度指数による耐久時間は20000時間以内です。(IEC60172規格)
6-8 ヨーク及びヨークフタについて
電気亜鉛めっき鋼板を高湿度で使用の場合は切断面が錆びます。
6-9 ソレノイドに使用されるメーカー生産品はメーカー保証範囲内での保証になります。
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7. その他注意事項

  • (1) 落下品は破損している場合があるので使用しないでください。
  • (2) 仕様書で取り決めたソレノイドを別仕様のメカへ使用すると、不良になる可能性がありますので転用しないでください。
  • (3) ソレノイドの電源制御回路への接続は感電や予期せぬ動作による怪我をする危険性がありますので、電源を切って作業してください。
  • (4) ヨークとヨークフタの切断面及びボビンのバリによる怪我に注意してください。
  • (5) 荷姿に変形を及ぼす重ね置きをしないでください。
  • (6) ソレノイドは単品での安全規格認証登録を取得していません。

8. 用語の意味

※ 1 サージ電圧 スイッチの開閉、回路の故障によって誘起される異常電圧の様に、短時間に急激に立ち上がる非周期的な過渡電圧です。
※ 2 電食 電気化学的腐食の略。2 種の異なる金属が同時に電解質溶液(例:湿気による水滴が塩分を含んだ場合)に接触した時、金属間の電位差によりイオン化傾向の強い金属から弱い金属に電子が移動、電荷を失った金属原子がイオンとして溶液中に溶け出すことで金属が腐食する現象です。
※ 3 吸引力 ソレノイドに通電した時にプランジャーが吸引運動できる最大負荷荷重です。
※ 4 保持力 ソレノイドに通電した時にプランジャーが吸着状態を保っていられる最大負荷荷重のことです。
※ 5 ストローク プランジャーがある位置から吸着するまでの移動量です。
※ 6 保持位置 プランジャーとプランジャーウケが吸着した位置です。
※ 7 待機位置 プランジャーが吸引動作前の待機した状態の位置です。
※ 8 使用定格 ソレノイドを指定条件下で連続・間欠又は短時間使用する時、定められた温度上昇限度を超過せず、その他の制限に外れない定格です。
※ 9 残留吸着力 ソレノイドに通電した時プランジャーが吸着した状態で通電を断った後の残留磁気による吸着力です。
※ 10 磁気ショート ソレノイドの取付部分やプランジャーの連結部分などが磁性体で構成されていますと、ソレノイドの磁気が漏れて外部に磁気回路ができます。これを磁気ショートと言います。磁気漏れによりソレノイドの吸引力が減少したり、取付部・連結部磁性材料の残留磁気により残留吸着力が増大します。
※ 11 温度上昇 ソレノイドのコイルに電流を流すと電線の抵抗により発熱します。発熱により時間とともに温度は上昇しますが、コイルの発熱量とその熱を周囲に発散する量が等しくなると温度上昇は飽和します。
※ 12 耐熱クラス 電気製品は通電すると温度上昇しますが、絶縁物の許容温度を超えた高温になると破損することになります。そこで絶縁物の許容温度により耐熱クラスを定めて、電気製品の使用最高温度がその耐熱クラスを超えない様に使用しなければなりません。
耐熱クラスはIEC 60085,JIS C 4003 による
耐熱クラス 250
温度℃ 90 105 120 130 155 180 200 220 250
※ 13 プランジャーのすり割り プランジャーのすり割り
※ 14 レアショート ソレノイドのコイルは絶縁された銅線を複数回巻いて、層(layer) が重なった状態になっています。このコイル層の間が何らかの原因で絶縁抵抗が少なくなり短絡(short) することです。
※ 15 繰り返し
ピーク逆電圧
ダイオードに順方向電流を流さない状態で、逆方向に繰り返し加えることのできる最大電圧です。
※ 16 静電耐量特性 ダイオードが静電気放電で破壊される電圧特性です。


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